鴬の鳴きし垣内ににほへりし
梅この雪にうつろふらむか
- 歌の意味
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うぐいすが鳴いていた垣根の内に色美しく咲いていた梅は、この雪で散ってしまうのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十九 4287
詞書は前の歌に続き「十一日、大雪落り積みて尺二寸有り。よりて拙懐を述ぶる歌三首」
大雪の日の三首の結びで、うぐいすが鳴いていた垣根の内に美しく咲いていた梅は、この雪で散ってしまうのだろうかと案じている。前歌のうぐいすを受けて、春の梅が雪に損なわれることを惜しんでいる。
雪を惜しむ一首目、春の兆しとの対照を描く二首目に続き、春の花を気遣う三首目へと展開し、大雪の日の心の動きを順に描いている。
作者の大伴家持は、大納言大伴旅人の子で、天平勝宝三年(751)に少納言に任じられて越中から平城京に戻り、都の官人として宮廷の宴にも列していた。万葉集の編纂に深く関わったとされる歌人である。
初句「鴬の」は、前歌の三句と同じ鳥を示し、三首の連なりを示している。
二句「鳴きし垣内に」の「垣内」は垣根で囲われた屋敷の内を示している。
三句「にほへりし」の「にほふ」は色美しく咲く意で、咲き誇っていた梅を示している。
四句「梅この雪に」は字余りで、梅とこの雪とを並べ、花と雪との対比を示している。
結句「うつろふらむか」の「うつろふ」は色があせる、散る意、「らむ」は現在推量で、散ってしまうのだろうかと案じて結んでいる。
かきつ:垣根で囲われた屋敷の内
うつろふ:色があせる、散る
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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御園生の竹の林に鴬は しば鳴きにしを雪は降りつつ
- 次の歌
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川洲にも雪は降れれし宮の内に 千鳥鳴くらし居む所なみ