川洲にも雪は降れれし宮の内に
千鳥鳴くらし居む所なみ
- 歌の意味
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川の洲にも雪は降っているらしい。宮中で千鳥が鳴いているようだ。居場所がないので。
- 鑑賞
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巻第十九 4288
詞書「十二日、内裏に侍ひて千鳥の喧くを聞きて作る歌一首」
大雪の翌日、内裏に伺候していて千鳥の鳴く声を聞いて詠んだ歌で、川の洲にも雪が降り積もっているらしい、居場所がないので宮中に来て千鳥が鳴いているようだと推し量っている。
本来川辺に住む千鳥が宮中で鳴く珍しさから、大雪の広がりを想像した知的な歌である。本巻の第四千百四十六首の千鳥の歌が夜更けの寝覚めに声を聞いたのと対照的に、ここでは昼の宮中で千鳥の声を聞いている。
作者の大伴家持は、大納言大伴旅人の子で、天平勝宝三年(751)に少納言に任じられて越中から平城京に戻り、都の官人として宮廷の宴にも列していた。万葉集の編纂に深く関わったとされる歌人である。
初句「川洲にも」の「川洲」は川の中の州で、千鳥の本来の住みかを示している。
二句「雪は降れれし」は、雪が降っているらしいの意で、川の州まで雪に覆われていることを推し量り、ここで切れる二句切れとなっている。
三句「宮の内に」は、内裏の中にの意で、千鳥の声を聞いた場所を示している。
四句「千鳥鳴くらし」の「らし」は根拠に基づく推定で、声から千鳥が鳴いていることを推し量っている。
結句「居む所なみ」の「〜み」は原因を表し、居場所がないのでと、倒置によって理由を最後に示して結んでいる。
かはす:川の中の州
ちどり:水辺に住むチドリ科の鳥
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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鴬の鳴きし垣内ににほへりし 梅この雪にうつろふらむか
- 次の歌
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青柳の上枝攀ぢ取りかづらくは 君が宿にし千年寿くとぞ