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青柳の上枝攀ぢ取りかづらくは
君が宿にし千年寿くとぞ

歌の意味
青柳の上の方の枝を引き寄せて取り、髪飾りにするのは、あなたのお屋敷で千年の長寿を祝うためである。
鑑賞
巻第十九 4289

詞書「二月十九日、左大臣橘家の宴にして攀ぢ折れる柳の条を見る歌一首」
 左大臣橘諸兄の邸での宴で、手折られた柳の枝を見て詠んだ歌で、青柳の上枝を引き寄せて髪飾りにするのは、あなたのお屋敷で千年の長寿を祝うためだと、主人諸兄を寿いでいる。
 生命力にあふれる春の柳を髪に飾る行為に長寿の祈りを重ね、宴の主人への敬意を表した挨拶の歌である。大伴氏と橘氏の親しい関係がうかがえる。
 作者の大伴家持は、大納言大伴旅人の子で、天平勝宝三年(751)に少納言に任じられて越中から平城京に戻り、都の官人として宮廷の宴にも列していた。万葉集の編纂に深く関わったとされる歌人である。

 初句「青柳の」は、芽吹いた春の柳を示している。
 二句「上枝攀ぢ取り」の「上枝」は上の方の枝、「攀ぢ取る」は引き寄せて取る意で、詞書の「攀ぢ折れる」に対応している。
 三句「かづらくは」の「かづらく」は髪飾りにする意で、主題を提示している。
 四句「君が宿にし」の「し」は強意で、主人諸兄の邸においてと場を強調している。
 結句「千年寿くとぞ」の「寿く」は祝う意、「ぞ」は強意で、千年の長寿を祝うためだと言い切って結んでいる。

ほつえ:上の方の枝
よぢとる:引き寄せて取る
ほく:祝う、祝福する
作者
大伴家持
出典
万葉集
前の歌
川洲にも雪は降れれし宮の内に 千鳥鳴くらし居む所なみ
次の歌
春の野に霞たなびきうら悲し この夕影に鴬鳴くも