木の暗の茂き峰の上を霍公鳥
鳴きて越ゆなり今し来らしも
- 歌の意味
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木々が茂って暗い峰の上を、ほととぎすが鳴いて越えて行くのが聞こえる。今まさにやって来たらしい。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4305
詞書「霍公鳥を詠む歌一首」
木々の茂る暗い峰の上をほととぎすが鳴いて越えて行く、今まさに来たらしいと、初音を聞きつけた喜びを詠んだ一首である。左注によれば、四月に家持が作った。夏の到来を告げるほととぎすを待ちわびる心は家持の歌にしばしば見られ、声を聞きとめた瞬間を臨場感をもって捉えている。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、この時は少納言であった。
初句「木の暗の」は木が茂って暗くなっている所の意で、夏の山の景を示す。
二句「茂き峰の上を」は木々の茂る峰の上を越えての意で、鳥の飛ぶ道筋を示す。
三句「霍公鳥」は夏の訪れを告げる鳥で、その声を待つことが季節の楽しみとされた。
四句「鳴きて越ゆなり」の「なり」は音による推定で、姿は見えず声によってそれと知る様子を表す。ここで句切れとなる。
結句「今し来らしも」の「し」は強意、「らし」は根拠に基づく推定で、今まさに来たらしいと喜びをこめて結ぶ。
このくれ:木が茂って暗い所
をのへ:山の頂。峰の上
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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山吹の花の盛りにかくのごと 君を見まくは千年にもがも
- 次の歌
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初秋風涼しき夕解かむとぞ 紐は結びし妹に逢はむため