初尾花花に見むとし天の川
へなりにけらし年の緒長く
- 歌の意味
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初尾花の穂のように、ほんの一時の逢瀬だけで見ようというので、天の川が二人を隔てているらしい。長い年月の間。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4308
詞書は前の歌に続き「七夕の歌八首」
初尾花のように一時の花としてだけ見ようとするので、天の川が長い年月二人を隔ててきたらしいと、年に一度しか逢えない二星の定めを思いやった一首である。家持が独り天の川を仰いで作った八首の三首目である。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、この時は兵部少輔であった。
初句「初尾花」はその年初めて穂を出した薄で、同音の繰り返しで次の「花に」を導いている。
二句「花に見むとし」の「花に」は花のように一時だけ、うわべだけの意で、「し」は強意である。逢瀬が束の間であることを示す。
三句「天の川」は二星を隔てる川で、一連を通じての舞台である。
四句「へなりにけらし」の「へなる」は隔たる意で、「けらし」は過去の事柄を推定して詠嘆する。ここで句切れとなる。
結句「年の緒長く」は倒置で、隔てが長い年月に及ぶことを後から添えている。本巻の巻頭近く、大伴千室の歌の結句と同じ句である。
はつをばな:その年初めて穂の出た薄
へなる:隔たる
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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秋と言へば心ぞ痛きうたて異に 花になそへて見まく欲りかも
- 次の歌
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秋風に靡く川辺のにこ草の にこよかにしも思ほゆるかも