秋風に靡く川辺のにこ草の
にこよかにしも思ほゆるかも
- 歌の意味
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秋風になびく川辺のにこ草の名のように、にこやかに心和んで、あの人のことが思われることだ。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4309
詞書は前の歌に続き「七夕の歌八首」
秋風になびく川辺のにこ草のように、にこやかに思われることだと、逢瀬を目前にした和やかな心を詠んだ一首である。家持が独り天の川を仰いで作った八首の四首目で、前歌までの切なさから一転し、逢う日の近づく喜びを柔らかな草に託している。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、この時は兵部少輔であった。
初句「秋風に」は一連の季節を示す句で、のちの歌でも初句に繰り返される。
二句「靡く川辺の」は天の川の川辺を思わせ、風になびく草の柔らかな姿を描く。
三句「にこ草の」は柔らかな草の名で、初句から三句までが同音の繰り返しによって「にこよかに」を導く序詞である。
四句「にこよかにしも」はにこやかに、和やかにの意で、「しも」は強意である。
結句「思ほゆるかも」は自然と思われることだの意で、「かも」で詠嘆して結ぶ。
にこぐさ:柔らかな草
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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初尾花花に見むとし天の川 へなりにけらし年の緒長く
- 次の歌
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秋されば霧立ちわたる天の川 石並置かば継ぎて見むかも