秋されば霧立ちわたる天の川
石並置かば継ぎて見むかも
- 歌の意味
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秋になると霧が一面に立ちこめる天の川よ。飛び石を並べて置いたならば、絶えず逢い続けることができるだろうか。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4310
詞書は前の歌に続き「七夕の歌八首」
秋になると霧の立ちこめる天の川に飛び石を並べたならば、絶えず逢い続けられるだろうかと、年に一度の逢瀬を嘆く心を詠んだ一首である。家持が独り天の川を仰いで作った八首の五首目で、舟や橋ではなく飛び石という身近な工夫を思いつく発想に、願いの切実さがこめられている。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、この時は兵部少輔であった。
初句「秋されば」は秋になるとの意で、「さる」は時節が移り来る意である。
二句「霧立ちわたる」は霧が一面に立ちこめる様子で、川を隔てる景をいっそう遠く感じさせる。
三句「天の川」は呼びかけの体言で、ここで句切れとなる。前々歌の三句と同じ句である。
四句「石並置かば」は川に飛び石を並べ置いたならばの仮定で、渡る手立てを思い描く。
結句「継ぎて見むかも」は絶えず続けて逢えるだろうかの意で、「かも」は疑問を含む詠嘆である。
いしなみ:川を渡るために並べた飛び石
さる:時節が移ってくる
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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秋風に靡く川辺のにこ草の にこよかにしも思ほゆるかも
- 次の歌
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秋風に今か今かと紐解きて うら待ち居るに月かたぶきぬ