秋風に今か今かと紐解きて
うら待ち居るに月かたぶきぬ
- 歌の意味
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秋風の吹く中で、今か今かと紐を解いて心待ちにしているうちに、月が傾いてしまった。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4311
詞書は前の歌に続き「七夕の歌八首」
秋風の中、今か今かと紐を解いて心待ちにしているうちに月が傾いてしまったと、織女の立場から待つ夜の長さを詠んだ一首である。家持が独り天の川を仰いで作った八首の六首目で、一首目が逢うために紐を結んだと詠んだのに対し、ここでは紐を解いて待つ姿を描き、一連の中で呼応させている。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、この時は兵部少輔であった。
初句「秋風に」は前々歌の初句と同じで、一連の季節を繰り返し示す。
二句「今か今かと」は語を重ねて、到来を待ちきれない心を表す。
三句「紐解きて」は逢瀬に備えて紐を解く意で、一連の一首目の「紐は結びし」と対をなしている。
四句「うら待ち居るに」の「うら」は心の意で、心の中で待ち続けているうちにの意である。
結句「月かたぶきぬ」は月が西に傾いてしまったの意で、「ぬ」は完了である。待つうちに夜の更けたことを景によって示して結ぶ。
うら:心。心の内
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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秋されば霧立ちわたる天の川 石並置かば継ぎて見むかも
- 次の歌
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秋草に置く白露の飽かずのみ 相見るものを月をし待たむ