- 歌の意味
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牟良自の磯の離れ磯のように、母から離れて行くのが悲しい。
- 鑑賞
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巻第二十 防人歌 4338
詞書は前の歌に続き「天平勝宝七歳乙未二月、相替りて筑紫の諸国に遣はさるる防人等が歌」
牟良自の磯の離れ磯のように、母から離れて行くのが悲しいと、母との別れを嘆いた一首である。駿河国から進上された歌の二首目で、故郷の海辺の見慣れた景を引いて、離れ行く身の悲しみを表している。「たたみけめ」は「たたみこも」の訛りである。
作者の生部道麻呂は駿河国の助丁と記される防人で、詳しい伝は残らない。
初句「畳薦」は薦を編んで作った畳で、ここでは「牟良自」にかかる枕詞とされる。
二句「牟良自が磯の」の牟良自は駿河国の海辺の地とされるが、所在は未詳である。
三句「離磯の」は岸から離れて海中にある磯で、初句から三句までが「離れて」を導く序詞である。
四句「母を離れて」は序詞から転じて母のもとを離れる意となり、「離磯」と「離れ」の音を響かせている。
結句「行くが悲しさ」は体言止めで、離れて行くことの悲しさよと詠嘆して結ぶ。
はなりそ:岸から離れて海中にある磯
たたみこも:薦を編んだ敷物。枕詞として用いる
- 作者
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生部道麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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水鳥の立ちの急ぎに父母に 物言はず来にて今ぞ悔しき
- 次の歌
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国廻るあとりかまけり行き廻り 帰り来までに斎ひて待たね