国廻るあとりかまけり行き廻り
帰り来までに斎ひて待たね
- 歌の意味
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国々を巡り飛ぶあとりやかまけりのように、私があちこち巡り歩いて帰って来るまで、身を慎んで待っていてください。
- 鑑賞
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巻第二十 防人歌 4339
詞書は前の歌に続き「天平勝宝七歳乙未二月、相替りて筑紫の諸国に遣はさるる防人等が歌」
国々を巡る鳥のように自分も巡り歩いて帰るまで、身を慎んで待っていてほしいと、家族に無事の祈りを託した一首である。駿河国から進上された歌の三首目である。旅人の無事を家に残る者が物忌みをして祈る習俗を踏まえている。「あとり」「かまけり」は鳥の名とされるが、「かまけり」については諸説がある。「かひり」は「かへり」の訛りである。
作者の刑部虫麻呂は駿河国の防人で、詳しい伝は残らない。
初句「国廻る」は国々を巡り渡る意で、渡り鳥の習性を示す。
二句「あとりかまけり」は渡りをする鳥の名とされ、初句と二句で「行き廻り」を導く序詞となっている。
三句「行き廻り」は防人として各地を巡り行く意で、序詞の鳥の姿を自らの旅に重ねている。
四句「帰り来までに」は帰って来るまでの意で、待つ期間の限りを示す。
結句「斎ひて待たね」の「斎ふ」は身を清め慎む意、「ね」は相手に望む終助詞で、慎んで待っていてほしいと願って結ぶ。次歌も同じ句で始まり、願いが受け継がれている。
いはふ:身を清め慎んで無事を祈る
あとり:鳥の名。秋に大群で渡来する小鳥
- 作者
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刑部虫麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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畳薦牟良自が磯の離磯の 母を離れて行くが悲しさ
- 次の歌
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父母え斎ひて待たね筑紫なる 水漬く白玉取りて来までに