たらちねの母を別れてまこと我れ
旅の仮廬に安く寝むかも
- 歌の意味
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母と別れて、本当に私は旅の仮小屋で安らかに眠れるだろうか。
- 鑑賞
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巻第二十 防人歌 4348
詞書は前の歌に続き「天平勝宝七歳乙未二月、相替りて筑紫の諸国に遣はさるる防人等が歌」
母と別れて、本当に旅の仮小屋で安らかに眠れるだろうかと、母を恋う不安を詠んだ一首である。上総国から進上された歌の二首目で、前歌の父の歌に対し、息子が母を思う歌が並べられている。
作者の日下部三中は上総国の国造丁と記される防人で、詳しい伝は残らない。
初句「たらちねの」は「母」にかかる枕詞である。
二句「母を別れて」は母と別れての意で、前歌が父の歌であったのに対し、母への思いを詠み出している。
三句「まこと我れ」は本当に私はの意で、自らに問いかける口調である。
四句「旅の仮廬に」は旅の途中で泊まる仮の小屋の意である。
結句「安く寝むかも」の「かも」は疑問を含む詠嘆で、安らかに眠れるだろうかと危ぶんで結ぶ。
かりほ:仮に造った小屋
たらちねの:「母」にかかる枕詞
- 作者
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日下部三中
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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家にして恋ひつつあらずは汝が佩ける 大刀になりても斎ひてしかも
- 次の歌
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百隈の道は来にしをまたさらに 八十島過ぎて別れか行かむ