庭中の阿須波の神に小柴さし
我れは斎はむ帰り来までに
- 歌の意味
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庭の中に祀る阿須波の神に小柴を挿し立てて、私は身を慎んで無事を祈ろう、帰って来るまで。
- 鑑賞
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巻第二十 防人歌 4350
詞書は前の歌に続き「天平勝宝七歳乙未二月、相替りて筑紫の諸国に遣はさるる防人等が歌」
庭に祀る阿須波の神に小柴を挿して、帰って来るまで身を慎んで祈ろうと、旅の無事を家の神に祈った一首である。上総国から進上された歌の四首目である。阿須波の神は屋敷の土台を守る神とされ、古事記にもその名が見える。出立に際して家の神に祈る素朴な信仰がうかがわれる。
作者の若麻続部諸人は上総国の帳丁と記される防人で、詳しい伝は残らない。
初句「庭中の」は家の庭の中にの意で、屋敷内の祭りの場を示す。
二句「阿須波の神に」は屋敷の守り神の名で、祈りの対象を示す。
三句「小柴さし」は小さな柴を挿し立てる意で、神を祀る作法である。
四句「我れは斎はむ」は身を清め慎んで祈ろうの意で、「む」は意志である。ここで句切れとなる。
結句「帰り来までに」は倒置で、帰るまでと祈りの期間を後から添えて結ぶ。駿河の防人の歌の「帰り来までに」と同じ句である。
こしば:小さな柴。神事に挿し立てる
あすはのかみ:屋敷の土台を守るとされた神
- 作者
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若麻続部諸人
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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百隈の道は来にしをまたさらに 八十島過ぎて別れか行かむ
- 次の歌
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旅衣八重着重ねて寐のれども なほ肌寒し妹にしあらねば