旅衣八重着重ねて寐のれども
なほ肌寒し妹にしあらねば
- 歌の意味
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旅の衣を幾重にも着重ねて寝るけれども、やはり肌寒い。妻ではないのだから。
- 鑑賞
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巻第二十 防人歌 4351
詞書は前の歌に続き「天平勝宝七歳乙未二月、相替りて筑紫の諸国に遣はさるる防人等が歌」
旅の衣を幾重に重ねて寝ても肌寒い、妻ではないのだからと、旅寝の寂しさを詠んだ一首である。上総国から進上された歌の五首目で、肌寒さという身体の感覚を通して妻と共寝できない寂しさを表している。「寐のれども」は「寝ぬれども」の訛りである。
作者の玉作部国忍は上総国望陀郡の上丁と記される防人で、詳しい伝は残らない。
初句「旅衣」は旅に着る衣の意である。
二句「八重着重ねて」は幾重にも着重ねての意で、寒さを防ごうとする様子を示す。
三句「寐のれども」は寝るけれどもの意で、逆接で下の句へ転じる。
四句「なほ肌寒し」はそれでもやはり肌寒いの意で、ここで句切れとなる。
結句「妹にしあらねば」の「し」は強意で、衣は妻ではないのだからと、寒さの理由を倒置で添えて結ぶ。
たびころも:旅の衣
- 作者
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玉作部国忍
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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庭中の阿須波の神に小柴さし 我れは斎はむ帰り来までに
- 次の歌
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道の辺の茨のうれに延ほ豆の からまる君をはかれか行かむ