筑紫辺に舳向かる船のいつしかも
仕へまつりて国に舳向かも
- 歌の意味
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筑紫の方へ舳先を向けているこの船は、いつになったら務めを果たして、故郷の国へ舳先を向けるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第二十 防人歌 4359
詞書は前の歌に続き「天平勝宝七歳乙未二月、相替りて筑紫の諸国に遣はさるる防人等が歌」
筑紫へ舳先を向けているこの船が、いつ務めを終えて故郷へ舳先を向けるのかと、帰還の日を待ち望んだ一首である。左注によれば、上総国の防人部領使茨田沙弥麻呂が進上した十九首のうち、拙劣な歌を除いて載せた歌の結びである。出航したばかりの船を前にして、早くも帰る日を思う心が切ない。
作者の若麻続部羊は上総国長柄郡の上丁と記される防人で、詳しい伝は残らない。
初句「筑紫辺に」は筑紫の方へ向かっての意で、行く先を示す。
二句「舳向かる船の」は舳先を向けている船のの意で、今まさに筑紫へ向かう船を指す。
三句「いつしかも」は早くいつになったらの意で、帰る日を待ちわびる思いを表す。
四句「仕へまつりて」は防人としての務めを果たしての意である。
結句「国に舳向かも」は故郷へ舳先を向けるだろうかの意で、二句の「舳向かる」と対をなし、行きと帰りの船の向きを対照させている。
へむく:船首を向ける
- 作者
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若麻続部羊
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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大君の命畏み出で来れば 我の取り付きて言ひし子なはも
- 次の歌
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桜花今盛りなり難波の海 押し照る宮に聞こしめすなへ