松の木の並みたる見れば家人の
我れを見送ると立たりしもころ
- 歌の意味
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松の木が並んで立っているのを見ると、家の人たちが私を見送ろうと立ち並んでいた姿にそっくりだ。
- 鑑賞
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巻第二十 防人歌 4375
詞書は前の歌に続き「天平勝宝七歳乙未二月、相替りて筑紫の諸国に遣はさるる防人等が歌」
道中で並ぶ松の木を見ると、家族が見送りに立ち並んでいた姿にそっくりだと、旅の景に家族の面影を見出した一首である。下野国から進上された歌の三首目で、前の二首と同じく火長の歌である。勇ましい前の二首に続き、道中のふとした景から家族を思う素朴な心が表されている。「松の木」を「まつのけ」、「家人」を「いはびと」と記すのは東国の訛りである。
作者の物部真島は下野国の火長と記される防人で、詳しい伝は残らない。
初句「松の木の」は道中の松の木を指し、旅の景を示す。
二句「並みたる見れば」は並んで立っているのを見るとの意である。
三句「家人の」は家の人、家族の意である。
四句「我れを見送ると」は私を見送ろうとしての意で、出立の日の家族の姿を思い出している。
結句「立たりしもころ」の「もころ」は〜のようだ、そっくりだの意で、立ち並んでいた姿そのままだと結ぶ。
もころ:〜のよう。〜と同じ
いへびと:家の人。家族
- 作者
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物部真島
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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天地の神を祈りて猟矢貫き 筑紫の島を指して行く我れは
- 次の歌
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旅行きに行くと知らずて母父に 言申さずて今ぞ悔しけ