ふたほがみ悪しけ人なりあたゆまひ
我がする時に防人にさす
- 歌の意味
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ふたほがみは意地の悪い人だ。私が急病にかかっている時に、防人に指名するとは。
- 鑑賞
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巻第二十 防人歌 4382
詞書は前の歌に続き「天平勝宝七歳乙未二月、相替りて筑紫の諸国に遣はさるる防人等が歌」
ふたほがみは悪い人だ、自分が急病の時に防人に指名するとはと、徴発への不満をあらわにした一首である。下野国から進上された歌の十首目である。防人の歌の多くが別れの悲しみや決意を述べる中で、指名した者への怨みを率直に述べた珍しい歌である。「ふたほがみ」が誰を指すかは未詳で、国司を指すとする説などがある。「悪しけ」は「悪しき」の訛りである。
作者の大伴部広成は下野国那須郡の上丁と記される防人で、詳しい伝は残らない。
初句「ふたほがみ」は人を指す語とみられるが、意味は未詳である。
二句「悪しけ人なり」は悪い人であるの意で、ここで句切れとなる。
三句「あたゆまひ」は急病の意とされ、病に伏していた時をいう。
四句「我がする時に」は私がかかっている時にの意である。
結句「防人にさす」は防人に指名するの意で、倒置によって怨みの理由を後から述べて結ぶ。
あたゆまひ:急病とされる
さす:指名する
- 作者
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大伴部広成
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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国々の防人集ひ船乗りて 別るを見ればいともすべなし
- 次の歌
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津の国の海の渚に船装ひ 立し出も時に母が目もがも