- 歌の意味
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戸の枢に釘を差して固めるように、固く約束を交わした妻の心は、揺らぐことがあろうか。
- 鑑賞
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巻第二十 防人歌 4390
詞書は前の歌に続き「天平勝宝七歳乙未二月、相替りて筑紫の諸国に遣はさるる防人等が歌」
戸の枢に釘を差して固めるように固く約束した妻の心は揺らぐことがあろうかと、妻の貞節を信じる心を詠んだ一首である。下総国から進上された歌の七首目である。家の戸締まりという身近な道具を引いて、夫婦の約束の固さを表している。「動く」を「あよく」と記すのは訛りである。
作者の刑部志可麻呂は下総国猨島郡の防人で、詳しい伝は残らない。
初句「群玉の」は「くる」にかかる枕詞とされる。
二句「枢にくぎさし」の「くる」は戸を開閉する回転軸の枢で、それに釘を差して固める意である。
三句「堅めとし」は固く約束したの意で、二句の戸締まりの比喩を受けている。
四句「妹が心は」は妻の心はの意である。
結句「動くなめかも」の「なめかも」は反語で、揺らぐことがあろうか、いやないと結ぶ。
くる:戸を開閉するための回転軸。枢
むらたまの:「くる」にかかる枕詞とされる
- 作者
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刑部志可麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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潮舟の舳越そ白波にはしくも 負ふせたまほか思はへなくに
- 次の歌
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国々の社の神に幣奉り 贖乞ひすなむ妹が愛しさ