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天地のいづれの神を祈らばか
愛し母にまた言とはむ

歌の意味
天地のどの神に祈ったならば、いとしい母と再び言葉を交わせるだろうか。
鑑賞
巻第二十 防人歌 4392

詞書は前の歌に続き「天平勝宝七歳乙未二月、相替りて筑紫の諸国に遣はさるる防人等が歌」
 天地のどの神に祈れば、いとしい母とまた言葉を交わせるだろうかと、母との再会を願った一首である。下総国から進上された歌の九首目である。前歌で妻が神に祈る姿を思いやったのに続き、ここでは自らが神に祈って母との再会を願っている。「天地」を「あめつし」と記すのは訛りである。
 作者の大伴部麻与佐は下総国埴生郡の防人で、詳しい伝は残らない。

 初句「天地の」は天の神と地の神を合わせていう。
 二句「いづれの神を」はどの神をの意で、祈る相手を探し求める。
 三句「祈らばか」の「か」は疑問の係助詞で、結びは結句の連体形「む」となる。
 四句「愛し母に」はいとしい母にの意である。
 結句「また言とはむ」は再び言葉を交わせるだろうかの意で、「か」を受けて連体形で結ぶ。

こととふ:言葉を交わす
作者
大伴部麻与佐
出典
万葉集
前の歌
国々の社の神に幣奉り 贖乞ひすなむ妹が愛しさ
次の歌
大君の命にされば父母を 斎瓮と置きて参ゐ出来にしを