堀江より朝潮満ちに寄る木屑
貝にありせばつとにせましを
- 歌の意味
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堀江の方から朝潮が満ちるのにつれて寄って来る木屑が、もし貝であったなら、家への土産にするのになあ。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4396
詞書「独り江の水に浮き漂ふ糞を見て、貝玉の依らざるを怨恨みて作る歌一首」
朝潮に乗って寄って来る木屑がもし貝であったなら、土産にするのにと、難波の浜に貝玉が寄らないことを恨んだ一首である。左注によれば、二月十七日、兵部少輔大伴家持が作った三首の二首目である。詞書の「糞」は水に漂う木屑やごみを指す。都の家族への土産を思う心を、浜に寄るのが貝ではなく木屑であることへの不満としてやや戯れて述べている。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、この時は兵部少輔であった。
初句「堀江より」は難波の堀江の方からの意で、防人の歌にも詠まれた水路である。
二句「朝潮満ちに」は朝潮が満ちるのにつれての意である。
三句「寄る木屑」は打ち寄せる木屑やごみで、ここで句切れとなる。
四句「貝にありせば」の「せば」は反実仮想の条件で、もし貝であったならの意である。
結句「つとにせましを」の「まし」は反実仮想で、土産にするのにと叶わぬ願いを述べて結ぶ。
こつみ:水に浮かぶ木屑やごみ
つと:土産
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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竜田山見つつ越え来し桜花 散りか過ぎなむ我が帰るとに
- 次の歌
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見わたせば向つ峰の上の花にほひ 照りて立てるは愛しき誰が妻