ひな曇り碓氷の坂を越えしだに
妹が恋しく忘らえぬかも
- 歌の意味
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碓氷の坂を越えた時に、妻が恋しくて忘れられないことだ。
- 鑑賞
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巻第二十 防人歌 4407
詞書は前の歌に続き「天平勝宝七歳乙未二月、相替りて筑紫の諸国に遣はさるる防人等が歌」
碓氷の坂を越えた時に妻が恋しく忘れられないと、国境を越えた時の思いを詠んだ一首である。左注によれば、上野国の防人部領使上毛野駿河が進上した歌の結びである。碓氷峠は上野と信濃の境で、故郷の国を出る境の峠を越えた時に、妻への思いがひときわ募ったことを述べている。「しだ」は時を表す東国の語である。
作者の他田部子磐前は上野国の防人で、詳しい伝は残らない。
初句「ひな曇り」は日が薄く曇る意から「碓氷」の「うす」にかかる枕詞である。
二句「碓氷の坂を」は上野と信濃の境の碓氷峠を指す。
三句「越えしだに」は越えた時にの意で、「しだ」は時を表す東国の語である。常陸の防人の歌にも見える語である。
四句「妹が恋しく」は妻が恋しくての意である。
結句「忘らえぬかも」は忘れられないことだの意で、「かも」で詠嘆して結ぶ。
しだ:時
ひなくもり:「碓氷」にかかる枕詞
- 作者
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他田部子磐前
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が家ろに行かも人もが草枕 旅は苦しと告げ遣らまくも
- 次の歌
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家人の斎へにかあらむ平けく 船出はしぬと親に申さね