家人の斎へにかあらむ平けく
船出はしぬと親に申さね
- 歌の意味
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家の人が身を慎んで祈ってくれているおかげであろうか。無事に船出はしたと、親に申し上げてほしい。
- 鑑賞
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巻第二十 防人歌 4409
詞書は前の歌に続き「天平勝宝七歳乙未二月、相替りて筑紫の諸国に遣はさるる防人等が歌」、さらに「防人の悲別の情を陳ぶる歌一首并せて短歌」
家の人の祈りのおかげであろうか、無事に船出したと親に伝えてほしいと、防人の心になって故郷への言付けを詠んだ一首である。詞書によれば、防人の別れの悲しみを述べた長歌(本巻の第四千四百八首)に添えた反歌の一首目で、左注によれば二月二十三日、兵部少輔大伴家持の作である。長歌が「家に告げこそ」と結ぶのを受け、船出の無事を親に知らせたいという防人の心を述べている。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、この時は兵部少輔であった。
初句「家人の」は家の人、家族の意である。
二句「斎へにかあらむ」は身を慎んで祈ってくれているためであろうかの意で、「か」は疑問を表す。ここで句切れとなる。
三句「平けく」は無事にの意である。
四句「船出はしぬと」は船出はしたとの意で、伝えたい言葉である。防人自身の歌に「今は漕ぎぬと妹に告げこそ」と詠む歌があり、同じ趣向である。
結句「親に申さね」の「ね」は相手に望む終助詞で、親に申し上げてほしいと願って結ぶ。
いはふ:身を慎んで無事を祈る
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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ひな曇り碓氷の坂を越えしだに 妹が恋しく忘らえぬかも
- 次の歌
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み空行く雲も使と人は言へど 家づと遣らむたづき知らずも