家づとに貝ぞ拾へる浜波は
いやしくしくに高く寄すれど
- 歌の意味
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家への土産に、貝を拾ったのだ。浜の波は、ますます次々と高く寄せて来るけれども。
- 鑑賞
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巻第二十 防人歌 4411
詞書は前の歌に続き「防人の悲別の情を陳ぶる歌一首并せて短歌」
家への土産に貝を拾った、浜の波はますます高く寄せて来るけれどもと、危険を冒しても家族に贈り物をしたい防人の心を詠んだ反歌の三首目である。左注によれば、二月二十三日、兵部少輔大伴家持の作である。前歌で土産を送る手立てがないと嘆いたのを受け、それでもなお貝を拾う姿を描いている。家持はこれより先に、浜に寄るのが貝でなく木屑であることを恨む歌を詠んでおり、貝を土産とする思いが重なっている。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、この時は兵部少輔であった。
初句「家づとに」は家への土産にの意で、前歌の「家づと」を受けている。
二句「貝ぞ拾へる」は「ぞ」の係り結びで、連体形「る」で結ぶ。貝を拾ったのだと強める。ここで句切れとなる。
三句「浜波は」は浜に寄せる波はの意である。
四句「いやしくしくに」はますます次々にの意で、波の絶え間なさを表す。
結句「高く寄すれど」は高く寄せて来るけれどもの意で、倒置によって危険を顧みぬ思いを後から添えて結ぶ。
しくしくに:次々に。しきりに
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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み空行く雲も使と人は言へど 家づと遣らむたづき知らずも
- 次の歌
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島蔭に我が船泊てて告げ遣らむ 使を無みや恋ひつつ行かむ