我が背なを筑紫は遣りて愛しみ
えひは解かななあやにかも寝む
- 歌の意味
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私の夫を筑紫へ送り出して、いとしさのあまり、帯も解かずに、どうしようもない思いで寝ることになるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第二十 防人歌 4428
詞書は前の歌に続き「天平勝宝七歳乙未二月、相替りて筑紫の諸国に遣はさるる防人等が歌」
夫を筑紫へ送り出して、いとしさのあまり帯も解かずにやるせなく寝るのだろうかと、夫を思う妻の夜を詠んだ一首である。左注によれば、磐余諸君が書き写して家持に贈った昔の年の防人の歌八首の四首目である。武蔵国の防人の妻服部呰女の歌とほぼ同じ歌で、防人の妻の歌が伝誦されて形を変えながら伝わったことをうかがわせる。「筑紫は」は「筑紫へ」の、「えひ」は「帯」の訛りである。
作者の名は伝わらない。防人の夫を送る妻の歌とされる。
初句「我が背なを」は私の夫をの意で、武蔵国の妻の歌の初句と同じである。
二句「筑紫は遣りて」は筑紫へ送り出しての意である。
三句「愛しみ」はいとしく思うのでの意で、「み」は原因を表す。
四句「えひは解かなな」は帯を解かずにの意で、「えひ」は「帯」の訛りである。
結句「あやにかも寝む」はどうしようもない思いで寝るのだろうかの意で、「かも」は疑問を含む詠嘆である。
おび:帯
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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家の妹ろ我を偲ふらし真結ひに 結ひし紐の解くらく思へば
- 次の歌
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馬屋なる縄立つ駒の後るがへ 妹が言ひしを置きて悲しも