笹が葉のさやぐ霜夜に七重着る
衣に増せる子ろが肌はも
- 歌の意味
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笹の葉がさやさやと鳴る霜の夜に、七重に着重ねる衣にもまさる、あの子の肌のぬくもりよ。
- 鑑賞
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巻第二十 防人歌 4431
詞書は前の歌に続き「天平勝宝七歳乙未二月、相替りて筑紫の諸国に遣はさるる防人等が歌」
笹の葉の鳴る霜夜に、七重に重ねた衣にもまさる妻の肌のぬくもりよと、旅寝の寒さの中で妻を恋うた一首である。左注によれば、磐余諸君が書き写して家持に贈った昔の年の防人の歌八首の七首目である。上総国の防人の歌に、衣を八重に着重ねても妻ではないので肌寒いと詠む歌があり、同じ発想に立っている。「着る」を「かる」と記すのは訛りである。
作者の名は伝わらない。防人自身の歌とされる。
初句「笹が葉の」は笹の葉のの意で、冬の夜の景を示す。
二句「さやぐ霜夜に」は笹の葉がさやさやと鳴る霜の夜にの意で、寒さを音で感じさせる。
三句「七重着る」は七重に着重ねるの意で、寒さを防ごうとする様子を示す。
四句「衣に増せる」は衣にもまさるの意である。
結句「子ろが肌はも」の「はも」は詠嘆で、妻の肌のぬくもりを慕わしく思って結ぶ。
さやぐ:さやさやと音を立てる
- 出典
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万葉集
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荒し男のいをさ手挟み向ひ立ち かなるましづみ出でてと我が来る
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障へなへぬ命にあれば愛し妹が 手枕離れあやに悲しも