ふふめりし花の初めに来し我れや
散りなむ後に都へ行かむ
- 歌の意味
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つぼみであった花の咲き初めのころにここへ来た私は、花が散ってしまった後に都へ帰るのだろうか。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4435
詞書は前の歌に続き「三月三日、防人を検校する勅使と兵部の使人等と、同じく集ひて飲宴して作る歌三首」
花のつぼみのころに来た自分は、花が散った後に都へ帰るのだろうかと、難波での長い滞在を嘆いた一首である。左注によれば、兵部の使いである少輔大伴家持の作である。花の咲き始めから散るまでという季節の推移に、任務の長さと都への思いとを託している。家持はこれより先に、竜田山の桜が帰る時には散っているだろうかと詠んでおり、同じ思いが続いている。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、この時は兵部少輔であった。
初句「ふふめりし」はつぼんでいたの意で、花のつぼみのころを示す。
二句「花の初めに」は花の咲き初めのころにの意である。
三句「来し我れや」の「や」は疑問の係助詞で、結びは結句の連体形「む」となる。難波に来た自分を示す。
四句「散りなむ後に」は花が散ってしまった後にの意で、二句の「花の初め」と対をなしている。
結句「都へ行かむ」は都へ帰るのだろうかの意で、前の二首の「都」を受けて宴の三首を結んでいる。
ふふむ:つぼむ。つぼみのままである
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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ひばり上がる春へとさやになりぬれば 都も見えず霞たなびく
- 次の歌
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闇の夜の行く先知らず行く我れを いつ来まさむと問ひし子らはも