霍公鳥ここに近くを来鳴きてよ
過ぎなむ後に験あらめやも
- 歌の意味
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ほととぎすよ、ここに近く来て鳴いておくれ。時節が過ぎてしまった後では、何のかいがあろうか。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4438
詞書「薩妙観、詔に応へて和へ奉る歌一首」
ほととぎすよ、ここに近く来て鳴いてほしい、時節が過ぎた後では何のかいもないと、前歌の太上天皇の御製に応じて詠んだ一首である。左注によれば、大原今城が伝え誦した四首の一首である。御製がなおも鳴いてほしいと願ったのに対し、今のうちに近くで鳴けと呼びかけ、天皇の思いに寄り添っている。
作者の薩妙観は元正太上天皇に仕えた女官で、命婦であった。
初句「霍公鳥」は前歌の初句と同じで、御製を受けている。
二句「ここに近くを」はこの近くにの意で、天皇のおそばを指す。
三句「来鳴きてよ」は来て鳴いておくれの意で、ほととぎすへの呼びかけである。ここで句切れとなる。
四句「過ぎなむ後に」は時節が過ぎてしまった後にの意である。
結句「験あらめやも」の「めやも」は反語で、何のかいがあろうか、ないと結ぶ。
しるし:効き目。かい
- 作者
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薩妙観
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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霍公鳥なほも鳴かなむ本つ人 かけつつもとな我を音し泣くも
- 次の歌
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松が枝の土に着くまで降る雪を 見ずてや妹が隠り居るらむ