立ちしなふ君が姿を忘れずは
世の限りにや恋ひわたりなむ
- 歌の意味
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しなやかに立つあなたの姿を忘れずにいたら、命の限り、ずっと恋い続けることになるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4441
詞書は前の歌に続き「上総国の朝集使大掾大原真人今城、京に向かふ時に、郡司の妻女等が餞する歌二首」
しなやかに立つあなたの姿を忘れずにいたら、命の限り恋い続けることになるのだろうかと、別れゆく国司を慕う心を詠んだ一首である。前歌に続き、郡司の妻たちが大原今城を送った歌の二首目で、前歌が別れの後の寂しさを詠んだのに対し、ここではその姿を生涯忘れられないだろうと述べている。
作者は上総国の郡司の妻たちで、名は伝わらない。
初句「立ちしなふ」はしなやかに立つの意で、今城の姿を讃えている。
二句「君が姿を」はあなたの姿をの意である。
三句「忘れずは」は忘れずにいたらの意である。
四句「世の限りにや」は命の限りの意で、「や」は疑問の係助詞である。結びは結句の連体形「む」となる。
結句「恋ひわたりなむ」は恋い続けることになるのだろうかの意で、尽きぬ思いをこめて結ぶ。
しなふ:しなやかにたわむ
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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足柄の八重山越えていましなば 誰れをか君と見つつ偲はむ
- 次の歌
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我が背子が宿のなでしこ日並べて 雨は降れども色も変らず