ひさかたの雨は降りしくなでしこが
いや初花に恋しき我が背
- 歌の意味
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雨は降りしきっている。なでしこの初花のように、会うたびにいよいよ新鮮に恋しいあなたよ。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4443
詞書は前の歌に続き「五月九日、兵部少輔大伴宿禰家持の宅に集ひて宴する歌四首」
雨は降りしきっている、なでしこの初花のようにいよいよ新鮮に恋しいあなたよと、前歌の客の讃辞に主人として応えた一首である。左注によれば家持の作である。前歌が雨にも色の変わらないなでしこを詠んだのを受け、同じ雨となでしこを用いて客の今城への親愛を返している。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、この時は兵部少輔であった。
初句「ひさかたの」は「雨」にかかる枕詞である。
二句「雨は降りしく」は雨が降りしきるの意で、前歌の「雨は降れども」を受けている。ここで句切れとなる。
三句「なでしこが」は前歌の「なでしこ」を受けている。
四句「いや初花に」はいよいよ初花のようにの意で、会うたびに新鮮な思いを表す。
結句「恋しき我が背」は恋しいあなたよと体言で結び、客の今城への親愛を示す。
ひさかたの:「天」「雨」などにかかる枕詞
はつはな:その年に初めて咲いた花
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が背子が宿のなでしこ日並べて 雨は降れども色も変らず
- 次の歌
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我が背子が宿なる萩の花咲かむ 秋の夕は我れを偲はせ