賄しつつ君が生ほせるなでしこが
花のみ問はむ君ならなくに
- 歌の意味
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贈り物をしながらあなたが育てているなでしこの、その花だけを目当てに訪ねるような私ではないのに。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4447
詞書は前の歌に続き「同じ月の十一日、左大臣橘卿、右大弁丹比国人真人の宅に宴する歌三首」
贈り物をしてあなたが育てたなでしこの花だけを訪ねる私ではないのにと、前歌に左大臣が和した一首である。左注によれば、左大臣橘諸兄が和した歌である。主人がなでしこを自分になぞらえて寿いだのに対し、花ではなくあなたに会いに来たのだと応じ、主人への親しみを示している。
作者の橘諸兄は敏達天皇の後裔で、もと葛城王といい、母の県犬養三千代の氏である橘の姓を賜った。この時は左大臣であった。
初句「賄しつつ」は贈り物をしながらの意で、前歌の三句「賄はせむ」を受けている。
二句「君が生ほせる」はあなたが育てているの意で、主人国人を指す。
三句「なでしこが」は前歌のなでしこを受けている。
四句「花のみ問はむ」は花だけを訪ねるだろうの意である。
結句「君ならなくに」の「なくに」は打消の詠嘆で、そのような私ではないのにと結ぶ。
おほす:育てる
- 作者
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橘諸兄
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が宿に咲けるなでしこ賄はせむ ゆめ花散るないやをちに咲け
- 次の歌
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あぢさゐの八重咲くごとく八つ代にを いませ我が背子見つつ偲はむ