あぢさゐの八重咲くごとく八つ代にを
いませ我が背子見つつ偲はむ
- 歌の意味
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あじさいが幾重にも重なって咲くように、幾世までも栄えていてください、あなた。この花を見ながらあなたを思いましょう。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4448
詞書は前の歌に続き「同じ月の十一日、左大臣橘卿、右大弁丹比国人真人の宅に宴する歌三首」
あじさいが幾重にも咲くように幾世までも栄えてほしい、花を見ながらあなたを思おうと、主人国人を寿いだ一首である。左注によれば、左大臣橘諸兄があじさいの花に寄せて詠んだ歌である。前歌で主人の寿ぎに応じた諸兄が、今度は庭のあじさいを引いて主人の長久を祝い返している。あじさいを詠んだ歌は万葉集にわずかしかなく、珍しい例である。
作者の橘諸兄は敏達天皇の後裔で、もと葛城王といい、この時は左大臣であった。
初句「あぢさゐの」は庭に咲くあじさいで、宴の場の景物である。
二句「八重咲くごとく」は幾重にも重なって咲くようにの意で、初句と二句が三句の「八つ代」を導いている。
三句「八つ代にを」は幾世までもの意で、「八重」と「八つ代」の「八」を重ねている。
四句「いませ我が背子」の「います」は「あり」の尊敬で、栄えていてくださいと主人に呼びかける。ここで句切れとなる。
結句「見つつ偲はむ」は花を見ながらあなたを思おうの意で、「む」は意志である。
やつよ:幾世。長い年月
- 作者
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橘諸兄
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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賄しつつ君が生ほせるなでしこが 花のみ問はむ君ならなくに
- 次の歌
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なでしこが花取り持ちてうつらうつら 見まくの欲しき君にもあるかも