住吉の浜松が根の下延へて
我が見る小野の草な刈りそね
- 歌の意味
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住吉の浜松の根が地中に延びるように、心ひそかに私が見て愛でているこの野の草を、刈らないでおくれ。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4457
詞書「天平勝宝八歳丙申二月朔乙酉二十四日戊申、太上天皇と大后、河内の離宮に幸行して、信を経て壬子を以て難波宮に伝幸す。三月七日、河内国伎人郷の馬国人の家にして宴する歌三首」
住吉の浜松の根のように心ひそかに愛でている野の草を刈らないでほしいと、宴の主人の家の野を讃えた一首である。詞書によれば、天平勝宝八歳二月、聖武太上天皇と光明皇太后が河内の離宮に行幸し、数日を経て難波宮に移った。その供奉の折、三月七日に河内国伎人郷の馬国人の家で開かれた宴の歌である。左注によれば兵部少輔大伴家持の作である。「草」に主人の家の人々をなぞらえ、心ひそかに慕う思いを恋歌風に述べたものとも解される。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、この時は兵部少輔であった。
初句「住吉の」は摂津国の住吉の地名で、すみのえと読む。
二句「浜松が根の」は浜辺の松の根のの意で、初句と二句が「下延へて」を導く序詞である。
三句「下延へて」は根が地中に延びるようにの意から、心ひそかに思っての意に転じている。
四句「我が見る小野の」は私が愛でている野のの意で、主人の家の野を指す。
結句「草な刈りそね」の「な〜そ」は禁止、「ね」は願望で、草を刈らないでほしいと願って結ぶ。
したばふ:根が地中に延びる。心ひそかに思う
をの:野。「を」は接頭語
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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大夫と思へるものを太刀佩きて 可尓波の田居に芹ぞ摘みける
- 次の歌
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にほ鳥の息長川は絶えぬとも 君に語らむ言尽きめやも