うつせみは数なき身なり山川の
さやけき見つつ道を尋ねな
- 歌の意味
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この世に生きる人は、取るに足りないはかない身である。山や川の清らかな景を見ながら、仏の道を求めよう。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4468
詞書「病に臥して無常を悲しび、道を修めむと欲ひて作る歌二首」
この世の人ははかない身である、山川の清らかな景を見ながら仏の道を求めようと、病の中で無常を感じて詠んだ一首である。詞書によれば、病に伏して世の無常を悲しみ、仏道を修めようと思って作った歌である。左注によれば、六月十七日の家持の作である。一族を戒める歌と同じ日に、自らの無常の思いを詠んでおり、家持の心の揺れがうかがわれる。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、この時は兵部少輔であった。
初句「うつせみは」はこの世に生きる人はの意である。
二句「数なき身なり」は数にも入らない取るに足りない身であるの意で、ここで句切れとなる。
三句「山川の」は山や川のの意で、自然の景を示す。
四句「さやけき見つつ」は清らかな景を見ながらの意で、前々歌の「さやけく」と同じ語である。
結句「道を尋ねな」の「な」は意志で、仏の道を求めようと結ぶ。次歌も「尋ね」の語を受けて道を求める心を詠んでいる。
うつせみ:この世に生きている人
かずなし:数にも入らない。取るに足りない
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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剣太刀いよよ磨ぐべし古ゆ さやけく負ひて来にしその名ぞ
- 次の歌
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渡る日の影に競ひて尋ねてな 清きその道またもあはむため