初雪は千重に降りしけ恋ひしくの
多かる我れは見つつ偲はむ
- 歌の意味
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初雪は幾重にも降り積もれ。恋しい思いの多い私は、それを見ながらあなたを偲ぼう。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4475
詞書「二十三日、式部少丞大伴宿禰池主の宅に集ひて飲宴する歌二首」
初雪よ幾重にも降り積もれ、恋しい思いの多い私は見ながら偲ぼうと、宴の主人池主への親愛を詠んだ一首である。詞書によれば、十一月二十三日、式部少丞大伴池主の邸に集って開いた宴の歌である。左注によれば兵部大丞大原今城の作である。降りしきる初雪に、主人を慕う思いの積もるさまを重ねている。
作者の大原今城は大原真人の一族で、家持と親交のあった官人である。この時は兵部大丞であった。
初句「初雪は」はその冬初めての雪はの意で、宴の折の景である。
二句「千重に降りしけ」は幾重にも降り積もれの意で、命令形で雪に呼びかけている。ここで句切れとなる。
三句「恋ひしくの」は恋しく思うことのの意で、「恋ひしく」は「恋ふ」のク語法である。
四句「多かる我れは」は多い私はの意で、恋しさの多さを示す。
結句「見つつ偲はむ」は雪を見ながら偲ぼうの意で、「む」は意志である。
ちへ:幾重にも重なること
- 作者
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大原今城
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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群鳥の朝立ち去にし君が上は さやかに聞きつ思ひしごとく
- 次の歌
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奥山のしきみが花の名のごとや しくしく君に恋ひわたりなむ