奥山のしきみが花の名のごとや
しくしく君に恋ひわたりなむ
- 歌の意味
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奥山に咲くしきみの花の名のように、しきりにあなたを恋い続けることになるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4476
詞書は前の歌に続き「二十三日、式部少丞大伴宿禰池主の宅に集ひて飲宴する歌二首」
奥山のしきみの花の名のように、しきりにあなたを恋い続けるのだろうかと、主人池主への思いを重ねて詠んだ一首である。左注によれば、兵部大丞大原今城の作である。「しきみ」の名の音を「しくしく」に響かせ、言葉の遊びの中に親愛をこめている。
作者の大原今城は大原真人の一族で、この時は兵部大丞であった。
初句「奥山の」は奥深い山のの意である。
二句「しきみが花の」は樒の花のの意で、樒は仏前に供えられる常緑樹である。
三句「名のごとや」は名のようにの意で、「や」は疑問の係助詞である。結びは結句の連体形「む」となる。初句から三句までが「しくしく」を導く序詞である。
四句「しくしく君に」はしきりにあなたにの意で、「しきみ」の「しき」の音を響かせている。
結句「恋ひわたりなむ」は恋い続けることになるのだろうかの意で、前歌の「恋ひしく」を受けて恋しさを重ねて結ぶ。
しきみ:樒。常緑の小高木
しくしく:しきりに。次々に
- 作者
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大原今城
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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初雪は千重に降りしけ恋ひしくの 多かる我れは見つつ偲はむ
- 次の歌
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夕霧に千鳥の鳴きし佐保路をば 荒しやしてむ見るよしをなみ