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天地を照らす日月の極みなく
あるべきものを何をか思はむ

歌の意味
天地を照らす日や月のように、限りなく続いていくはずの御代であるのに、何を思い悩むことがあろうか。
鑑賞
巻第二十 雑歌 4486

詞書「天平宝字元年十一月十八日、内裏にして肆宴する歌二首」
 天地を照らす日月のように限りなく続くはずの御代であるのに、何を思い悩むことがあろうかと、治世の永続を寿いだ一首である。詞書によれば、天平宝字元年十一月十八日、内裏で催された宴の歌である。左注によれば皇太子の御歌である。この年は橘奈良麻呂の変があった年で、騒乱の後に治世の安泰を宣言する意味がこめられているとされる。
 作者の大炊王は舎人親王の子で、この時は孝謙天皇の皇太子であり、のちに即位して淳仁天皇となった。

 初句「天地を」は天と地をの意で、世界の全体を示す。
 二句「照らす日月の」は照らす太陽と月のの意で、永遠に変わらぬものの象徴である。
 三句「極みなく」は限りなくの意で、初句から三句までが治世の永続のたとえとなっている。
 四句「あるべきものを」は続いていくはずのものなのにの意で、「ものを」は逆接である。
 結句「何をか思はむ」の「か」は反語で、何を思い悩むことがあろうか、ないと結ぶ。次歌はこれを受けて臣下を戒めている。

きはみ:果て。限り
作者
大炊王
出典
万葉集
前の歌
時の花いやめづらしもかくしこそ 見し明らめめ秋立つごとに
次の歌
いざ子どもたはわざなせそ天地の 堅めし国ぞ大和島根は