恨めしく君はもあるか宿の梅の
散り過ぐるまで見しめずありける
- 歌の意味
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恨めしいあなたであることよ。庭の梅が散り過ぎてしまうまで、私に見せてくださらなかったとは。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4496
詞書「二月、式部大輔中臣清麻呂朝臣の宅にして宴する歌十五首」
恨めしいあなたであることよ、庭の梅が散り過ぎるまで見せてくれなかったとはと、主人清麻呂に戯れて恨み言を述べた一首である。詞書によれば、天平宝字二年二月、式部大輔中臣清麻呂の邸で開いた宴の歌十五首の一首目である。左注によれば治部少輔大原今城の作である。梅の盛りに招かれなかったことを恨む形で、主人の庭の梅を讃える挨拶となっている。次歌で主人が応じている。
作者の大原今城は大原真人の一族で、家持と親交のあった官人である。この時は治部少輔であった。
初句「恨めしく」は恨めしいの意で、戯れの恨み言を切り出す。
二句「君はもあるか」はあなたであることよの意で、「も」「か」は詠嘆である。ここで句切れとなる。
三句「宿の梅の」は主人の庭の梅のの意で、字余りである。
四句「散り過ぐるまで」は散り過ぎてしまうまでの意で、次歌の四句にも同じ句がある。
結句「見しめずありける」の「しむ」は使役で、見せてくださらなかったことよと結ぶ。
みしむ:見させる。見せる
- 作者
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大原今城
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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うち靡く春ともしるく鴬は 植木の木間を鳴き渡らなむ
- 次の歌
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見むと言はば否と言はめや梅の花 散り過ぐるまで君が来まさぬ