磯影の見ゆる池水照るまでに
咲ける馬酔木の散らまく惜しも
- 歌の意味
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磯の影が映って見える池の水が照り輝くほどに咲いている馬酔木の花が、散ってしまうのは惜しい。
- 鑑賞
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巻第二十 雑歌 4513
詞書は前の歌に続き「山斎を属目して作る歌三首」
磯の影の映る池の水が照り輝くほどに咲く馬酔木の花が散るのは惜しいと、花の盛りを惜しんだ一首である。左注によれば、大蔵大輔甘南備伊香真人の作で、三首の結びである。前歌の池に映る影を受け、水面を照らすほどの花の盛りを描き、それが散ることを惜しんで結んでいる。
作者の甘南備伊香はもと伊香王といい、のちに甘南備真人の姓を賜った。この時は大蔵大輔であった。
初句「磯影の」は池の磯の影のの意で、前歌の「影」を受けている。
二句「見ゆる池水」は影の映って見える池の水の意である。
三句「照るまでに」は照り輝くほどにの意で、花の盛んなさまを表す。
四句「咲ける馬酔木の」は一連三首の四句にいずれも馬酔木を置き、主題を受け継いでいる。
結句「散らまく惜しも」の「まく」は推量の「む」のク語法で、散るであろうことが惜しいと結ぶ。
いそかげ:池の磯の影
- 作者
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甘南備伊香
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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池水に影さへ見えて咲きにほふ 馬酔木の花を袖に扱入れな
- 次の歌
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青海原風波靡き行くさ来さ つつむことなく船は速けむ