逢ふと見し夢にならひて夏の日の
暮れがたきをも嘆きつるかな
- 歌の意味
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あなたに逢うと見た夢に慣れて、夏の日がなかなか暮れないことまでも嘆いてしまったことだ。
- 鑑賞
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巻第四 夏歌 173
詞書「人のもとにつかはしける」
あなたに逢う夢を見ることに慣れてしまい、夏の長い日がなかなか暮れないことまで嘆いてしまったと詠んだ歌である。夢で逢えるのが待ち遠しく、夜の来るのを待ちわびる心を表している。
詞書によれば、ある人のもとに贈ったものである。
作者の藤原安国は藤原氏の人で、経歴は詳らかでない。
初句「逢ふと見し」は、逢うと見た、の意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。本巻の第百七十首、第百七十一首に続き、夢を詠んでいる。
二句「夢にならひて」の「ならふ」は、慣れる、癖になる意で、夢で逢うことに慣れて、の意である。
三句「夏の日の」は、日の長い夏の昼を示す。本巻の第百六十九首から第百七十一首までの「夏の夜」の短さに対し、ここでは「夏の日」の長さを詠み、反転した構図をなしている。
四句「暮れがたきをも」は、なかなか暮れないことまでも、の意で、「も」は添加を表す。
結句「嘆きつるかな」は、嘆いてしまったことだ、の意で、「つる」は完了、「かな」は詠嘆を表す。
ならふ:慣れる、習慣になる
- 作者
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藤原安国
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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二声と聞くとはなしに郭公 夜深く目をも覚ましつるかな
- 次の歌
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疎まるる心しなくは郭公 飽かぬ別れに今朝は消なまし