- 歌の意味
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空が遠いので、秋が避けて通るのだろうか。月に生える桂の色も、紅葉せずに変わらない。
- 鑑賞
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巻第六 秋歌中 327
詞書「月を見て」
空が遠いので秋が避けて通るのだろうか、月の桂の木は色も変わらないと詠んだ歌である。地上の木々が秋に色づくのに、月の桂だけが色を変えないことを、空の遠さに理由づけた機知の歌である。
詞書によれば、月を見て詠んだものである。本巻の第三百二十七首から第三百三十四首までは、詞書「月を見て」のもとに歌が八首並んでいる。
作者の紀淑光は紀長谷雄の子で、参議に至った。
初句「空遠み」は、空が遠いので、の意で、いわゆるミ語法である。
二句「秋やよくらん」の「よく」は、避けて通る意で、「や」は疑問の係助詞、「らん」は現在推量の助動詞の連体形で係り結びをなす。ここで句切れとなる。
三句「久方の」は、「月」「空」「光」などにかかる枕詞である。
四句「月の桂の」は、月に生えるという桂の木の、の意で、本巻の第三百二十一首の「桂の枝」と同じ伝説を踏まえている。
結句「色も変はらぬ」は、色も変わらない、の意で、本巻の第三百二十二首の結句「色も変はらず」と同じく、変わらない月の色を詠んでいる。
よく:避ける、よけて通る
かつら:月に生えていると伝えられる伝説の木
- 作者
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紀淑光
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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月影は同じ光の秋の夜を わきて見ゆるは心なりけり
- 次の歌
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衣手は寒くもあらねど月影を たまらぬ秋の雪とこそ見れ