秋深みよそにのみ聞く白露の
誰が言の葉にかかるなるらん
- 歌の意味
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秋が深まり、よそごととばかり聞いていた白露が、いったい誰の言の葉にかかっているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 425
詞書「あひ知りて侍りける人の、のちのちまで来ずなりにければ、男の親聞きて、なほまかり訪へと申し教ふと聞きてのちに、まで来たりければ」
秋が深まり、よそごととばかり聞いていた白露が、誰の言葉にかかっているのだろうかと詠んだ歌である。久しぶりに訪れた男に、その訪れは誰の言葉によるものかと、皮肉を込めて問いかけている。
詞書によれば、親しくしていた男がしだいに来なくなったところ、男の親がそれを聞いて、やはり訪ねて行けと言い聞かせたと耳にし、その後で男が訪ねてきたので詠んだものである。男の訪れが、男自身の心ではなく親の言葉によるものだと見抜いている。
作者の「平伊望朝臣女」は、平伊望の娘である。平伊望は桓武平氏の人で、大納言に至った。娘自身の伝は詳らかでない。
初句「秋深み」は、秋が深いので、の意のミ語法である。
二句「よそにのみ聞く」は、よそごととばかり聞く、の意で、男の訪れを自分とは関わりのないことと思っていたことを示している。
三句「白露の」は、白露が、の意で、男の訪れをはかない露にたとえている。
四句「誰が言の葉に」は、誰の言葉に、の意で、「言の葉」の「葉」は「露」の縁語である。男の親の言葉を指している。
結句「かかるなるらん」の「かかる」は、露が葉に「掛かる」意と、言葉に「関わる」意を重ねている。かかっているのだろうか、の意である。
ことのは:言葉、和歌
かかる:露が葉に掛かる、また関わる、頼る
- 作者
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平伊望女
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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わがごとく物思ひけらし白露の 夜をいたづらにおき明かしつつ
- 次の歌
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問ふことの秋しもまれに聞こゆるは かりにや我を人のたのめし