君恋ふと涙に濡るるわが袖と
秋の紅葉といづれまされり
- 歌の意味
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あなたを恋しく思って涙に濡れる私の袖と、秋の紅葉と、どちらが色が勝っているだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 427
詞書「紅葉と色濃きさいでとを女のもとにつかはして」
あなたを恋しく思って流す涙に濡れる私の袖と、秋の紅葉と、どちらの色が勝っているだろうかと詠んだ歌である。悲しみのあまり流す紅の涙で染まった袖を、紅葉と比べて、恋の思いの深さを訴えている。
詞書によれば、紅葉と、色の濃い布の切れ端とを女のもとに送ったときに詠んだものである。色濃い布を紅の涙に染まった袖に見立て、紅葉と並べて比べさせている。
作者の「みなもとのととのふ」は源整である。平安時代前期の人で、伝は詳らかでない。
なお本文の結句は「いづれまされり」とあり、読み仮名の行の「いつれまさけり」と一致しない。ここでは本文の表記に従う。
初句「君恋ふと」は、あなたを恋しく思って、の意である。
二句「涙に濡るる」は、涙に濡れる、の意である。
三句「わが袖と」は、私の袖と、の意で、紅の涙に染まった袖を示している。
四句「秋の紅葉と」は、秋の紅葉と、の意で、三句と並べて比べている。
結句「いづれまされり」は、どちらが勝っているか、の意で、色の深さを比べている。
さいで:布を裁ったあとの切れ端
まさる:勝る、程度が上である
- 作者
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源整
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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問ふことの秋しもまれに聞こゆるは かりにや我を人のたのめし
- 次の歌
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照る月の秋しもことにさやけきは 散る紅葉葉を夜も見よとか