かくばかり常なき世とは知りながら
人をはるかに何頼みけん
- 歌の意味
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これほど移ろいやすい世の中だとは知りながら、どうしてあの人を遠い先まで頼みにしていたのだろう。
- 鑑賞
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巻第十 恋歌二 615
詞書「文通はしける女の、異人に逢ひぬと聞きてつかはしける」
これほど無常な世と知りながら、どうしてあの人を遠い先まで頼みにしていたのか、と詠んだ歌である。ほかの男と契った女への恨みを、自らの見通しの甘さを悔いる形で表している。
詞書によれば、手紙を交わしていた女がほかの男と契ったと聞いて送った歌である。前歌までと同じく、相手の心変わりや訪れの途絶えをめぐる歌が続く。
作者の平時望は、桓武平氏の平惟範の子で、中納言を務めた。
初句「かくばかり」は、これほどまでに、の意である。
二句「常なき世とは」は、移ろいやすい世の中だとは、の意で、「世」には男女の仲の意を響かせている。
三句「知りながら」は、知っていながら、の意である。
四句「人をはるかに」は、あの人を遠い先まで、の意である。
結句「何頼みけん」は、どうして頼みにしていたのだろう、の意で、「何」は疑問の副詞、「けん」は過去の原因を推量する助動詞である。
つねなし:常に変わり続ける、無常である
- 作者
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平時望
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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鶯の雲居にわびて鳴く声を 春のさがとぞ我は聞きつる
- 次の歌
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我が門のひとむらすすき刈り飼はん 君が手馴れの駒も来ぬかな