久しくも恋ひわたるかな住の江の
岸に年経る松ならなくに
- 歌の意味
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ずいぶん長い間、恋い続けていることだ。住の江の岸で年を経た松というわけでもないのに。
- 鑑賞
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巻第十 恋歌二 672
詞書「年経て言ひ渡り侍りける女に」
長い間恋い続けていることだ、住の江の岸で年を経た松でもないのに、と詠んだ歌である。長寿の象徴である住の江の松を引き、それほど長く思い続けている自分を嘆いている。
詞書によれば、何年にもわたって言い寄り続けていた女に送った歌である。本巻の第六百三十八首、第六百五十三首も住の江を詠んでいる。
作者の源すぐるは、平安時代中期の人物で、経歴は詳しく伝わらない。
初句「久しくも」は、長い間も、の意である。
二句「恋ひわたるかな」は、恋い続けていることだ、の意で、「かな」は詠嘆の終助詞である。ここで句切れとなる。
三句「住の江の」は、摂津の国の歌枕である住の江の、の意である。
四句「岸に年経る」は、岸で年を経た、の意である。
結句「松ならなくに」は、松ではないのに、の意で、初句から二句までと倒置の関係にある。
すみのえ:摂津の国の住吉の入り江、松と波で知られる歌枕
- 作者
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源すぐる
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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恋しさは寝ぬに慰むともなきに あやしくあはぬめをも見るかな
- 次の歌
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逢ふことのよよを隔つる呉竹の 節の数なき恋もするかな