片時も見ねば恋しき君をおきて
あやしや幾夜ほかに寝ぬらん
- 歌の意味
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ほんの少しの間でも見ないと恋しいあなたを置いて、不思議なことに、私は幾夜ほかの所で寝ることになるのだろう。
- 鑑賞
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巻第十 恋歌二 677
詞書「方塞がりけるころ、違へにまかるとて」
少しの間でも見ないと恋しいあなたを置いて、幾夜ほかの所で寝るのだろう、と詠んだ歌である。方違えのためにやむなく恋人と離れて夜を過ごすことを嘆いている。
詞書によれば、方角が塞がって行けなかったころ、方違えに出かけるときに詠んだ歌である。方違えは、陰陽道で凶とされる方角を避けるため、いったん別の所に泊まる習わしである。
作者の藤原有文は、平安時代中期の人物で、経歴は詳しく伝わらない。
初句「片時も」は、ほんの少しの間も、の意である。
二句「見ねば恋しき」は、見ないと恋しい、の意である。
三句「君をおきて」は、あなたを置いて、の意で、六音の字余りとなっている。
四句「あやしや幾夜」は、不思議なことに幾夜、の意で、「あやしや」は自分の行いをいぶかる詠嘆である。
結句「ほかに寝ぬらん」は、ほかの所で寝るのだろう、の意である。
かたふたがる:陰陽道で目指す方角が凶とされ、行けなくなる
かたたがへ:凶の方角を避け、いったん別の所に泊まってから目的地へ向かうこと
- 作者
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藤原有文
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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降りとけぬ君がゆきげの雫ゆゑ 袂にとけぬ氷しにけり
- 次の歌
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思ひやる心に類ふ身なりせば 一日に千たび君は見てまし