思ひやる心に類ふ身なりせば
一日に千たび君は見てまし
- 歌の意味
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あなたを思いやって飛んでいく心に連れ添って行ける身であったなら、一日に千度もあなたに逢っただろうに。
- 鑑賞
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巻第十 恋歌二 678
詞書「題しらず」
あなたを思う心に身が連れ添って行けるなら、一日に千度も逢うだろうに、と詠んだ歌である。心は絶えず相手のもとへ通うのに、身が伴わずに逢えないもどかしさを表している。
前歌の第六百七十七首の「片時も」に対し、本歌は「一日に千たび」と、逢いたい思いの頻りなことを詠んでいる。
作者の大江千古は、大江音人の子で、文章博士などを務めた学者である。
初句「思ひやる」は、遠くの相手に思いを馳せる、の意である。
二句「心に類ふ」は、心に連れ添って行く、の意である。
三句「身なりせば」は、身であったなら、の意で、「せば」は反実仮想の条件を表す。
四句「一日に千たび」は、一日に千度も、の意で、前歌の初句「片時も」と対照をなしている。
結句「君は見てまし」は、あなたに逢っただろうに、の意で、三句の「せば」と呼応する反実仮想の「まし」で結んでいる。
たぐふ:連れ添う、一緒に行く
おもひやる:遠くにいる人に思いを馳せる
- 作者
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大江千古
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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片時も見ねば恋しき君をおきて あやしや幾夜ほかに寝ぬらん
- 次の歌
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逢ふことはとほ山鳥の狩衣 きてはかひなき音をのみぞ泣く