紅葉葉も時雨もつらしまれに来て
帰らん人を降りやとどめぬ
- 歌の意味
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紅葉の葉も時雨も薄情なものだ。まれにやって来て帰ろうとする人を、降って引き留めなかったのだから。
- 鑑賞
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巻第八 冬歌 455
詞書「返し」
紅葉の葉も時雨も薄情なものだ、まれに来て帰ろうとする人を降って引き留めなかったのだから、と詠んだ歌である。前歌で忠房が紅葉と時雨にことよせて帰ったことを述べたのを受け、その紅葉と時雨を責める形で、留守にして会えなかった残念さを表している。
前歌の藤原忠房の歌への返歌である。忠房の「紅葉葉は」「時雨とともに」「ふりでて」を受けて、「紅葉葉も」「時雨も」「降りや」と返している。
作者の「大江千古」は、平安時代前期の学者で歌人である。大江音人の子で、醍醐天皇の侍読を務めた。
初句「紅葉葉も」は、紅葉した葉も、の意で、前歌の初句「紅葉葉は」を受けている。
二句「時雨もつらし」の「つらし」は、薄情だ、の意で、ここで句切れとなる。前歌の「時雨とともに」を受けて、時雨をも責めている。
三句「まれに来て」は、まれにやって来て、の意で、忠房の訪問がめったにないことをいっている。
四句「帰らん人を」の「ん」は意志の助動詞「む」の連体形で、帰ろうとする人を、の意である。
結句「降りやとどめぬ」の「や」は疑問の係助詞で、連体形「ぬ」と係り結びをなし、降って引き留めなかったのだろうか、の意である。前歌の「ふりでて」の「ふり」を受けている。
もみぢば:紅葉した葉
- 作者
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大江千古
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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紅葉葉ををしき錦と見しかども 時雨とともにふりでてぞ来し
- 次の歌
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神無月限りとや思ふ紅葉葉の やむ時もなく夜さへに降る