夢かとも思ふべけれどおぼつかな
寝ぬに見しかば分きぞかねつる
- 歌の意味
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夢だったのかとも思ってよいはずだが、どうもはっきりしない。寝てもいないのに見たのだから、夢か現実か見分けかねているのだ。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌三 714
詞書「人のもとにつかはしける」
夢かとも思うはずだが心もとない、寝てもいないのに見たのだから区別がつかない、と詠んだ歌である。あまりにはかない逢瀬を、夢とも現実ともつかないものとして振り返っている。
詞書によれば、ある人のもとへ送った歌である。本巻の第七百三首の「寝なくに夢と」と同じく、寝てもいないのに夢のようだという趣向を用いている。
作者の「きよなりが女」は、きよなりという人物の娘である。経歴は詳しく伝わらない。
初句「夢かとも」は、夢だったのかとも、の意である。
二句「思ふべけれど」は、思ってよいはずだが、の意で、「べけれ」は当然の助動詞「べし」の已然形である。
三句「おぼつかな」は、はっきりしない、心もとない、の意で、形容詞の語幹による詠嘆である。ここで句切れとなる。
四句「寝ぬに見しかば」は、寝てもいないのに見たので、の意である。本巻の第七百三首の四句「寝なくに夢と」と同じ趣向である。
結句「分きぞかねつる」は、見分けかねている、の意で、「ぞ」は強めの係助詞であり、連体形「つる」で結ぶ係り結びとなっている。
わく:区別する、見分ける
- 作者
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きよなりの娘
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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唐衣たつを惜しみし心こそ ふたむら山の関となりけめ
- 次の歌
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空知らぬ雨にも濡るる我が身かな 三笠の山をよそに聞きつつ