山の端にかかる思ひの絶えざらば
雲居ながらもあはれと思はん
- 歌の意味
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山の端に雲がかかるような、このような思いが絶えないのならば、遠く雲の彼方に離れていても、あなたをいとしいと思おう。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌三 763
詞書「文など遣する男、外様になりぬべしと聞きて」
山の端にかかる雲のようなこの思いが絶えないなら、遠く離れていてもいとしいと思おう、と詠んだ歌である。ほかの女に心を移しそうだと聞いた男に、それでも思いが絶えないなら遠くからでも慕い続けようと伝えている。
詞書によれば、手紙などをよこしていた男が、ほかの方へ心を移しそうだと聞いて詠んだ歌である。
作者の「藤原真忠かいもうと」は、藤原真忠の妹である。経歴は詳しく伝わらない。
初句「山の端に」は、山の稜線に、の意である。
二句「かかる思ひの」の「かかる」は、雲が山の端に「懸かる」と、このような、の意の「かかる」を掛ける掛詞である。
三句「絶えざらば」は、絶えないならば、の意である。
四句「雲居ながらも」は、雲の彼方に遠く離れていても、の意で、初句の「山の端」の縁語である。
結句「あはれと思はん」は、いとしいと思おう、の意で、「ん」は意志を表す。
やまのは:山の稜線、空と接する部分
かかる:雲が「懸かる」意と、このような、の意を掛ける
くもゐ:雲のある遠い所
- 作者
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藤原真忠の妹
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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人知れぬ我が物思ひの涙をば そでにつけてぞ見すべかりける
- 次の歌
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泣き流す涙のいとど添ひぬれば はかなきみづも袖濡らしけり