秋の田のかりそめ臥しもしてけるか
いたづらいねを何につままし
- 歌の意味
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秋の田を刈るように、かりそめの仮寝もしてしまったことだ。むなしく寝たこの寝を、稲を積むように、何に積んだらよいのだろう。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌四 845
詞書「人のもとにまかりて侍るに、呼び入れねば簀子に臥し明かして、つかはしける」
秋の田を刈るように、かりそめの仮寝をしてしまった、むなしい寝を何に積もうか、と詠んだ歌である。女のもとを訪ねたが中に入れてもらえず、縁側で夜を明かしたむなしさを、秋の田の刈り入れや稲に託しておどけて詠んでいる。
詞書によれば、人のもとを訪ねたが呼び入れてもらえなかったので、簀子に寝て夜を明かし、そのあとで送った歌である。秋の景物を詠む一連の六首目である。
作者の藤原成国は、経歴の詳しいことが伝わらない人物である。
初句「秋の田の」は、秋の田の、の意で、田を「刈る」ことから二句の「かり」を導いている。
二句「かりそめ臥しも」は、かりそめの仮寝も、の意で、「かり」に田を「刈り」と「仮」を掛けている。
三句「してけるか」は、してしまったことだ、の意で、「か」は詠嘆を表す。ここで句切れとなる。
四句「いたづらいねを」は、むなしい寝を、の意で、「いね」に「寝」と「稲」を掛けている。
結句「何につままし」は、何に積んだらよいだろう、の意で、「つむ」は稲を積む意で、「まし」はためらいを表す。
すのこ:縁側の板敷き
かりそめぶし:かりそめの仮寝。田を「刈り」の意を掛ける
いたづらいね:むなしい寝の意に、「稲」を掛ける
つむ:積み重ねる
- 作者
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藤原成国
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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枝もなく人に折らるる女郎花 ねをだに残せ植ゑし我がため
- 次の歌
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秋風の吹くにつけても訪はぬかな 荻の葉ならば音はしてまし