誓ひても猶思ふには負けにけり
誰がため惜しき命ならねば
- 歌の意味
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もう逢わないと誓っても、やはり思う心には負けてしまった。誰のために惜しい命でもないのだから。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌四 886
詞書「好古の朝臣に、さらに逢はじと誓言をして、又の朝につかはしける」
誓っても、やはり思う心には負けてしまった、誰のために惜しい命でもないのだから、と詠んだ歌である。もう逢わないと神に誓ったのに恋しさに負けてしまい、誓いを破った罰で命を失っても惜しくはないと、激しい思いを詠んでいる。
詞書によれば、小野好古に二度と逢うまいと誓いを立てて、その翌朝に送った歌である。小野好古は小野道風の兄で、参議に至った。
作者の蔵内侍は、蔵人を務めた内侍と見られる女房で、詳しい出自は伝わらない。
初句「誓ひても」は、もう逢わないと誓っても、の意である。
二句「猶思ふには」は、やはり恋しく思う心には、の意である。
三句「負けにけり」は、負けてしまったことだ、の意で、「けり」は気づきの詠嘆を表す。ここで句切れとなる。
四句「誰がため惜しき」は、誰のために惜しい、の意である。
結句「命ならねば」は、命ではないので、の意で、誓いを破った罰で命を失っても惜しくはないことを表している。
ちかごと:誓いの言葉
- 作者
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蔵内侍
- 出典
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後撰和歌集
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何にかは袖の濡るらん白浪の なごりありげも見えぬ心を
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難波女にみつとはなしに葦の根の よの短くて明くるわびしさ